耳の痛みといっても、痛む場所によって症状も疑われる疾患もさまざまです。
外耳道炎の場合、耳の周りや耳の穴(外耳道の入り口)を押すと痛みます。
また、耳の掃除で耳垢をとる際に、外耳道を傷つけてしまい、それが原因で炎症を起こして痛むこともあります。
乳様突起炎の場合、以前中耳炎にかかったことがあると発症します。具体的には耳介の後ろにある骨を押すと痛みを感じます。
外耳道や中耳の病気があると耳の奥が痛みます。
外耳道の病気のほとんどは、外耳道炎が原因であることが多く、中耳の病気の場合、特にお子様に多い急性中耳炎をはじめ、慢性中耳炎が悪化し耳だれが増えてきた時にも、痛みを感じることがあります。
耳だれはサラサラしたもの、粘り気のあるもの、膿の混じったもの、血の混じったものなど病気によってさまざまです。急性中耳炎や慢性中耳炎の急性増悪期には、痛みとともに膿のような耳だれが出ます。
急性増悪期以外の慢性中耳炎の場合は、痛みがなく粘り気のある耳だれが出ます。
慢性中耳炎による耳だれは、持続的に出る場合もありますが、風邪をひいた際に断続的にでるような場合もあります。
悪臭を伴う耳だれの場合は、緑膿菌のような特殊な細菌の感染による慢性中耳炎が考えられます。
ただし、慢性中耳炎にがんを合併している場合にも、悪臭を伴った耳だれが出るので、特に注意が必要です。
また、耳からの出血もみられます。
他にも放置しているとまわりの組織を破壊していく真珠腫性中耳炎でも、悪臭を伴った耳だれがみられます。
耳からの出血の中でも、鮮血が出る場合には外耳道の炎症(外耳道炎)や外傷が原因として考えられます。
この場合は、過度な心配は要りませんが、耳だれに血が混じっている場合には急性中耳炎が疑われます。
原因として、中耳が化膿して鼓膜を圧迫し、それが破けた際に耳だれと一緒に出血が起こります。
また、血と膿が混じっているような場合には、慢性中耳炎で、中耳に細菌感染が起こっている可能性があります。
慢性中耳炎で耳だれが続くと、外耳道の皮膚にかぶれ(外耳道湿疹)が発症します。
このかぶれが、かゆみの原因となります。また、耳介に湿疹ができてかゆみを発症することがあります。
特に、外耳道に湿疹ができるような方では、耳介にも湿疹ができやすい傾向があります。
その他にも耳垢がたまった場合や、耳垢を取る際にも、かゆみを感じることがありますが、病気ではないので特に心配する必要はありません。
耳介血腫や細菌感染によって生じる丹毒や蜂窩織炎などが原因で耳介が腫れることがあります。
耳介血腫は、痛みがほとんどなく、あってもごく軽微なもので自覚症状に乏しく、病気と気づき難いことがあります。主に柔道やレスリングなどをしている方によくみられます。
耳介が腫れて、痛みや発赤を伴っている場合には、耳介軟骨膜炎が疑われます。耳介軟骨膜炎は、耳介の軟骨が炎症を起こすので、非常に強い痛みを伴います。
耳鳴りのほとんどは自覚的な症状として現れますが、音の聞こえる道筋のどこに障害があっても起こります。ただし、個々の患者様で感じ方には違いがあります。頭の中で音が鳴っているように感じたり、耳の外で鳴っているように感じることもあります。
他にも、耳から出る音が他の人にも聞こえる「他覚的耳鳴り」なども稀にみられます。
耳鳴りの原因として、最も多くみられるのが内耳の障害によって発症する場合です。他にも耳垢栓塞や中耳炎などでも起こることがあります。
耳鳴りの音にもさまざまなものがありますが、高音域が傷害されている場合には「キーン」という音や、「ピー」という音がします。この場合、内耳にその原因がある可能性が高いといえます。
一方、「ブー」とか、「ボー」という音が聞こえる場合は、中耳炎や耳管の病気などの中耳の問題の他、メニエール病の可能性も疑われます。
また、老人性難聴の場合にも耳鳴りがすることがあります。
老人性難聴は、左右対称に傷害されるので、ほとんどの場合、両耳に耳鳴りが起こりますが、片側のみのこともあります。他にも聴神経腫瘍や脳の病気から、耳鳴りが発生することもあります。
聞こえにくい、耳が詰まったような感じがするという場合には「耳閉塞感」が疑われます。
このような不快感の他にも、薄い膜を通して音を聞いているような聞こえにくさなども症状として現れます。
いくつかの耳鼻科疾患の主要症状の一つで、中耳や内耳が原因として発症します。
なかでも一番多く見られるのが中耳の障害で、風邪に伴う中耳の内圧変化が代表的です。風邪で鼻が詰まってしまうと耳管が塞がれるため、空気が中耳へと送られなくなってしまいます。すると中耳の内圧は下がり、中耳の方へと鼓膜が引っ張られて、音がこもったように聞こえるのです。ただし、鼻づまりが解消されれば、症状は改善されます。これ以外にも、急性中耳炎の初期や滲出性中耳炎、耳管の病気などでも耳閉塞感が生じ、聞こえにくさを招くことがあります。
また、耳の閉塞感は鼓膜に小さな孔が開いた場合にも起こります。耳閉塞感は、難聴とも深い関わりがあります。耳閉塞感があっても、日常会話には差し障りのない低音域のみが傷害されている場合は、難聴は自覚されづらいものです。ですので、耳閉塞感があるようなら、難聴の疑いも視野に入れます。
耳から入った音は、外耳→中耳→内耳と伝わり、聴神経を通って脳へと情報が伝達されます。こうした音がたどる一連の通り道のどこかに障害が起こると、「難聴」すなわち聞こえの悪い状態が生じます。
障害の例としては、耳垢栓塞(外耳道に耳垢がたまって詰まる)、鼓膜穿孔(鼓膜に孔が開く)、鼓膜炎(鼓膜に炎症が生じる)などがあります。急性中耳炎や滲出性中耳炎などによる中耳の傷害、メニエール病、突発性難聴、内耳炎、聴神経腫瘍(脳の腫瘍)なども難聴を引き起こします。難聴の原因が、耳のどこにあるかを突き止めるには、鼓膜の診察や、聴力検査などを行う必要があります。
一方、聴力検査などで異常がみられるにもかかわらず、難聴の訴えが無いケースもあります。日常会話で使われる音の周波数は250~3,000Hzの範囲に収まることが多いのですが、これを逸脱して低い音域や高い音域に対して難聴があると、なかなか難聴として自覚されません。また、難聴の程度が軽い場合、それも片側の耳だけの難聴は見逃されやすいものです。
同様に、老人性難聴も高い音域から難聴が始まるので、最初のうちは、難聴を自覚しません。しかし、難聴が進行するにつれて、日常会話に使われる音域まで障害されるようになると、難聴に気づき始めます。
このような場合には、補聴器の利用をおすすめいたします。当院では補聴器外来を行っておりますので詳しくは下記ページをご確認ください。
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